循環器内科・内科|院長 田代 紘朗
主な経歴
- 山口大学医学部医学科 卒業
- 小倉記念病院 初期臨床研修
- 小倉記念病院 循環器内科
- わかばハートクリニック 循環器内科
- 花水木クリニック 院長
資格
- 日本専門医機構認定 内科専門医
- 日本専門医機構認定 循環器内科専門医
所属学会
- 日本心臓リハビリテーション学会
- 日本内科学会
- 日本循環器学会
- 日本心不全学会
「健診で心雑音と書かれていた」「学校検診のころから雑音と言われていた」
心雑音は健診でよく指摘される所見ですが、不安に感じる必要があるかどうかは雑音の性質で大きく変わります。
心雑音には、多くの場合、特別な治療を要しない「機能性雑音」と、心臓弁膜症など病気に伴う「病的雑音」があります。両者は、聴診だけで完全に判断することは難しく、心エコー(心臓超音波)で弁の動きや血液の流れ、心臓の構造を確認することが大切です。
多くの場合、心エコーによって原因の見通しが立ちますが、所見によっては追加検査や専門医療機関での評価が必要になることもあります。
このページでは、健診で心雑音を指摘された方に向けて、当院での心エコー評価と、弁膜症と分かった場合の経過観察の考え方をご説明します。
突然の強い胸痛、急な強い息苦しさ、失神・意識障害がある場合は、通常の予約を待たず119番へ連絡してください。
労作時の息切れや安静時の動悸が続く場合も、早めに医療機関へ相談してください。救急車を呼ぶべきか迷う場合は、福岡県救急医療電話相談「#7119」も利用できます。
心雑音とは

心雑音とは、聴診器で心臓の音を聞いたときに、通常の心音に加えて聞こえる音です。血液が心臓や弁を通るときの流れによって生じ、病気によらないものもあれば、弁膜症などが関係するものもあります。
心エコーで弁の動きや血液の流れ、心臓の構造を確認することで、特別な治療を要しないものか、定期的に見守るべきものかを判断する手がかりが得られます。検査結果はできるだけ分かりやすくご説明し、所見によっては追加検査や再評価が必要になることもあります。
院長 田代 紘朗
心雑音の正体は、聴診だけですべてを判断することは難しいです。
心雑音の種類(機能性雑音と病的雑音)
| 種類 | 特徴 | 対応 |
| 機能性雑音 | 弁や心臓の構造に大きな問題はなく、流速の影響などで生じる。お子さま・若年・痩せ型の方・妊婦さんに多い | 多くの場合、特別な治療を要しません |
| 病的雑音 | 弁膜症・先天性心疾患・心筋症などに伴う | 心エコーで原因を確認し、経過観察や治療を検討 |
心雑音から疑われる疾患
- 弁膜症 — もっとも多い。大動脈弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症など
- 先天性心疾患 — 心室中隔欠損・心房中隔欠損など。成人になってから発見されることも
- 心筋症(肥大型など) — 心筋の構造異常で雑音が生じる
- 貧血・甲状腺機能亢進 — 流速が増えて機能性雑音が大きくなる
心雑音を指摘されたときに確認したいこと
検査で機能性雑音と判断された場合、通常は特別な治療を必要としません。
一方で、弁膜症などに伴う雑音の場合、症状がない時期から進行していることがあります。定期的に心エコーで変化を確認することで、心不全症状の出現や治療のタイミングの遅れを避けることにつながります。
弁膜症の経過の中で起こり得る変化として、次のようなものがあります。
- 心不全への進行 — 弁膜症が重くなると、心臓のポンプ機能に負担がかかります
- 心房細動の合併 — 特に僧帽弁閉鎖不全症は心房細動を伴いやすく、脳梗塞リスクへの配慮が必要です
- 重症大動脈弁狭窄症 — 失神・労作時息切れが出始めた重症ASは、適切なタイミングで治療につなげることが大切です
- 治療タイミングの判断 — 心機能が大きく低下する前に治療方針を判断できるよう、定期的なフォローが役立ちます
「症状がない」ことは「大丈夫」を意味するわけではありません。いま一度状態を確認しておくことが、その後の判断をしやすくします。
心臓弁膜症について
心臓には4つの弁(大動脈弁・僧帽弁・三尖弁・肺動脈弁)があり、それぞれ「血液を一方向に流す」ためのドアの役割を担っています。
弁がしっかり開かない(狭窄)/ぴったり閉じない(閉鎖不全)状態を弁膜症と呼びます。
弁膜症の種類(大動脈弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症 等)
大動脈弁系
- 大動脈弁狭窄症(AS) — 加齢で弁が硬くなり開きにくくなる。高齢者に多い。重症化すると失神や、命に関わる合併症のリスク
- 大動脈弁閉鎖不全症(AR) — 加齢・大動脈拡大などで生じる
僧帽弁系
- 僧帽弁閉鎖不全症(MR) — 弁がしっかり閉じず、血液が逆流する。心房細動・心不全につながりやすい
- 僧帽弁逸脱症(MVP) — 弁が反り返る。多くは経過観察でよいが、重症化する方もいる
その他
- 三尖弁逆流(TR) — 軽度でみられることも多い一方、程度や原因によっては経過観察が必要で、重症の場合は右心不全のサインになることも
弁膜症の進行と症状
弁膜症は多くの場合、年単位でゆっくり進行しますが、原因によっては急に悪化することもあります。軽症のうちは無症状のことが多く、重症化すると以下のような症状が出ることがあります。
- 労作時の息切れ(階段・坂道で)
- 動悸
- むくみ
- 失神(特に大動脈弁狭窄症)
- 胸の違和感
症状が出てから受診するのではなく、無症状のうちから定期的な心エコーで進行を確認しておくことが、重症化や治療のタイミングの遅れを避けるために役立ちます。
福岡市南区で要再検査・要精密検査と言われた方へ
健診結果の見方や、心雑音以外の指摘項目も含めた受診の流れは、健診結果の再検査・精密検査もあわせてご覧ください。
心雑音をそのままにせず、確認しておきたい理由
心雑音そのものが病気とは限りませんが、弁膜症などが原因の場合は、症状がないまま進行することがあります。確認せずにいると、息切れ・むくみ・動悸などが現れた時点で病気が進んでいることもあるため、まず原因と重症度を確かめることが大切です。
一方、心エコーなどで機能性雑音と判断された場合は、多くの場合、治療を必要としません。必要な方だけを適切な間隔で見守ることが、受診の遅れを避けることにつながります。
当院で行う検査
心雑音の原因を確認するには、心エコーが中心となります。心エコー検査の結果は、診察内容と合わせて日本専門医機構認定 循環器内科専門医が確認し、必要な検査やフォロー方針をご説明します。
心エコー(中心的な検査)

超音波で弁の形・動き・血液の流れ・逆流や狭窄の重症度・心機能をリアルタイムに観察します。
- 痛みなし、放射線被ばくなし
- 検査時間は30分程度
- 多くの場合、機能性雑音か、弁膜症などに伴う雑音かを判断する手がかりになります
- 弁膜症が見つかった場合は、重症度(軽症・中等症・重症)を評価し、フォロー間隔の判断につなげます
描出条件や病態によっては、追加検査(経食道心エコー等)や専門医療機関での評価が必要になることがあります。
心電図

心房細動・心室肥大・伝導障害の有無を確認します。弁膜症と心房細動は合併しやすい組み合わせです。
胸部レントゲン

胸部X線で、心拡大・肺うっ血・大動脈の状態を評価します。重症弁膜症では心拡大・肺うっ血の所見が手がかりになります。
血液検査(NT-proBNP等)

NT-proBNPは心臓への負担をみる参考指標です。ただし、年齢、腎機能、不整脈などでも変動するため、心エコーや症状と合わせて総合的に判断します。数値だけで診断はしません。
心房細動の合併が疑われる場合は、パッチ式の長時間ホルター心電図も追加します。
治療について
弁膜症は、軽症〜中等症では経過観察が中心ですが、重症化した場合は手術やカテーテル治療の適応を専門病院と連携して判断します。
経過観察(軽症〜中等症)
弁の種類や重症度に応じて、数ヶ月〜数年ごとに心エコーで経過を確認します。
- 軽症 — 数年ごと(おおむね3〜5年)
- 中等症 — 1〜2年ごと
- 重症 — より短い間隔でのフォローが必要になることがあります
生活制限の要否は弁膜症の種類・重症度・症状によって異なります。軽症で症状がなければ普段どおりの生活を続けられることが多い一方、運動内容の調整が必要な場合もあるため、個別に確認します。
「放置」ではなく「計画的な経過観察」です。当院で日常的なフォローを担います。
薬物療法
- 症状緩和(息切れ・むくみ) — 利尿薬など
- 心房細動の合併 — 脳梗塞予防のため抗凝固薬を検討します。薬の種類は、弁膜症の種類、人工弁の有無、腎機能、出血リスクなどを踏まえて選択します(中等症以上の僧帽弁狭窄症や機械弁ではワルファリンが基本となります)
- 感染性心内膜炎の予防 — リスクが高い方では、侵襲的な歯科処置の前に抗菌薬予防を検討することがあります。対象となる心疾患や処置内容により判断が異なるため、歯科受診前にご相談ください
専門病院への紹介(弁置換術・TAVI等)
重症弁膜症で治療が必要と判断される場合は、連携する総合病院へご紹介します。
- 大動脈弁狭窄症 — 弁置換術(SAVR)/TAVI(経カテーテル大動脈弁植え込み術)
- 僧帽弁閉鎖不全症 — 弁形成術/弁置換術/MitraClip(経カテーテル僧帽弁修復術)
TAVIや経カテーテル僧帽弁修復術などの治療は当院で行うものではなく、紹介先で詳しく評価・判断されます。手術後は、紹介先の方針を踏まえ、状態が安定した方の日常的なフォローを当院でも行います。
当院の診療の流れ
弁膜症は「見つけて、重症度に応じて見守る」ことが基本です。健診で心雑音を指摘されたいまから、長く付き合っていく仕組みを一緒に作りましょう。
当院では、日本専門医機構認定 循環器内科専門医が心雑音・弁膜症を評価します。
- 健診結果の確認
- 心電図・血液検査・胸部X線
- 心エコー(弁の評価)
- 結果説明(機能性 or 弁膜症の鑑別、必要なら重症度評価)
- 重症度に応じて当院で定期フォロー/重症は連携施設で治療
- 当院で日常的なフォロー
- 心エコーは診療状況により当日または後日の予約枠で実施します
- 心電図は院内で当日結果をご説明します。血液検査は、院内迅速検査では当日、外部検査機関へ依頼する項目では後日のご説明となります。
- 健診結果・お薬手帳・過去の心エコー画像(あれば)をお持ちください
Web予約、LINE予約に対応しています。月・木は19時まで診療しています。
検査は、症状や診察所見に応じて医師が必要性を判断し、保険診療の範囲で行います。健診で異常を指摘された場合や症状がある場合の診察・検査は、医師が必要と判断した範囲で保険診療として行います。任意検査や診断書作成などは自費となる場合があります。
よくあるご質問
子供のころから心雑音と言われていました。改めて検査が必要ですか?
子どものころの心雑音の多くは機能性雑音ですが、現在も心雑音を指摘される場合、これまで詳しい評価を受けていない場合、症状や家族歴がある場合は、受診して心エコーが必要か確認することをおすすめします。心エコーで弁や心臓の構造を確認すると、経過観察が必要かどうかを判断しやすくなります。
心雑音と言われましたが、症状はまったくありません。受診したほうがいいですか?
症状がなくても、雑音の性質、年齢、既往歴、心電図所見などから弁膜症が疑われる場合は、心エコーを含む評価を検討します。まず健診結果を持参して受診し、必要な検査を相談してください。
弁膜症と言われたら、すぐ手術になりますか?
必ずしも手術が必要なわけではありません。軽症〜中等症の弁膜症は、心エコーで定期的に経過を見るのが基本です。
重症化した場合は、手術やカテーテル治療の適応を専門病院と連携して判断します。当院では、長期フォローを通じて、専門病院での治療を検討するタイミングを判断するお手伝いをします。
健診で心雑音を指摘された場合、心エコーは保険診療で受けられますか?
健診で心雑音を指摘され、診察で医学的に必要と判断される場合、心電図・心エコー・血液検査などは保険診療で行います。検査内容は症状や診察所見、健診結果に応じて医師が判断します。
任意検査や診断書作成などは自費となる場合があります。
紹介状は必要ですか?
紹介状がなくても受診できます。健診結果票をお持ちいただければ、必要な検査を当日または予約枠で進めます。
心雑音には、特別な治療を必要としない機能性雑音と、弁膜症などに伴う病的雑音があります。心エコーでは、弁の動き、血液の流れ、心臓の大きさや機能を確認できるため、心雑音の原因を調べるうえで中心的な検査です。
弁膜症が見つかった場合も、すぐに手術が必要とは限らず、重症度に応じて定期的に経過を確認します。
「お子さまの頃から雑音と言われていた」「健診で初めて指摘された」、どちらの方も、まずは一度、現在の状態を確認しておくことをおすすめします。
ただし、突然の強い胸痛、急な強い息苦しさ、失神・意識障害がある場合は、予約を待たず119番へ連絡してください。
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00〜13:00 | 月曜 診療あり | 火曜 診療あり | 水曜 診療なし | 木曜 診療あり | 金曜 診療あり | 土曜 診療あり | 日祝 診療なし |
| 14:30〜18:00 | 月曜 診療あり | 火曜 診療あり | 水曜 診療なし | 木曜 診療あり | 金曜 診療あり | 土曜 診療なし | 日祝 診療なし |
| 18:00〜19:00 | 月曜 診療あり | 火曜 診療なし | 水曜 診療なし | 木曜 診療あり | 金曜 診療なし | 土曜 診療なし | 日祝 診療なし |
※ 最終受付は診療時間の30分前までとなります。
※ 受診科目や院内での滞在時間にかかわらず同じ無料時間の駐車サービス券をご用意しています。駐車時間によっては、別途ご負担が生じる場合があります。
お急ぎの方は、お電話(092-403-3312)でもご予約・ご相談を承ります。 [休診日]水・日曜日・祝日
循環器内科・内科 院長 田代 紘朗
経歴
- 山口大学医学部医学科 卒業
- 小倉記念病院 初期臨床研修
- 小倉記念病院 循環器内科
- わかばハートクリニック 循環器内科
- 花水木クリニック 院長
資格・所属学会
- 日本専門医機構認定 内科専門医
- 日本専門医機構認定 循環器内科専門医
- 日本内科学会
- 日本循環器学会
- 日本心不全学会
- 日本心臓リハビリテーション学会