健康診断で心拡大を指摘された方へ

循環器内科・内科|院長 田代 紘朗

循環器内科・内科|院長 田代 紘朗

主な経歴

  • 山口大学医学部医学科 卒業
  • 小倉記念病院 初期臨床研修
  • 小倉記念病院 循環器内科
  • わかばハートクリニック 循環器内科
  • 花水木クリニック 院長

資格

  • 日本専門医機構認定 内科専門医
  • 日本専門医機構認定 循環器内科専門医

所属学会

  • 日本心臓リハビリテーション学会
  • 日本内科学会
  • 日本循環器学会
  • 日本心不全学会

「健診の胸部レントゲンで心拡大と書かれていた」「CTR50%以上と言われた」「心臓が大きいと言われた」
心拡大の指摘を受けて受診される方は少なくありません。

心拡大はそれ自体が病名ではなく、胸部レントゲンで心臓の影が大きく見えている所見です。背景に心不全・弁膜症・心筋症・高血圧による心臓への負担などが隠れていることもあれば、撮影条件(体位・吸気量・撮影距離など)による見かけ上の変化のこともあります。

実際に心臓の部屋(心腔)が広がっているのか、壁が厚くなっているのか、見かけ上の変化なのかは、心エコーや心電図、血液検査などを組み合わせて評価します。

このページでは、健診で心拡大を指摘された方に向けて、当院で行う検査の考え方と、原因として考えられる疾患をご説明します。

受診の目安

突然の強い胸痛、急な強い息苦しさ、失神・意識障害がある場合は、通常の予約を待たず119番へ連絡してください。

数日で体重が増え、息切れやむくみが悪化した場合は、通常の予約を待たず医療機関へ相談してください。救急車を呼ぶべきか迷う場合は、福岡県救急医療電話相談「#7119」も利用できます。

心拡大とは

胸部X線画像を確認する

心拡大とは、胸部レントゲンで心臓の影(心陰影)が大きく見える状態です。健診では一般に、胸郭の幅に対する心臓の幅の割合であるCTR(心胸郭比)を目安に判断します。
心拡大はそれ自体が病名ではなく、実際に心臓の部屋(心腔)が広がっている場合もあれば、撮影時の体位や息の吸い方などによって大きく見える場合もあります。

必要に応じて、心電図や心エコー、血液検査などを組み合わせ、心不全・弁膜症・心筋症・高血圧による心臓への負担などが関係している可能性を評価します。検査結果はできるだけ分かりやすくご説明し、所見に応じて経過観察や治療、専門医療機関へのご紹介を検討します。

心拡大と心肥大の違い

用語意味
心拡大胸部レントゲンなどで、心臓の影が大きく見える状態。実際に心腔(部屋)が広がっている場合もあれば、撮影条件などで大きく見える場合もあります
心肥大心臓の筋肉(特に壁)が厚くなっている状態。胸部レントゲンだけでは分かりにくく、心電図や心エコーで評価します

両者は一緒に存在することもありますが、意味も対応も異なります。当院では心エコーで心腔のサイズや壁の厚さを区別して評価します。

心胸郭比(CTR)による評価基準

胸部レントゲン正面像で、CTR(%)=心臓の最大横径 ÷ 胸郭の最大横径 × 100を計算します。

  • CTR 50%以上が心拡大の目安ですが、数値だけで病名や重症度は決まりません
  • ただし、撮影体位(臥位 vs 立位)・撮影距離・吸気量で見かけ上のCTRは変わります
  • 健診のレントゲンは撮影条件が施設によって異なるため、必要に応じて再撮影や心エコーなどを行い、総合的に判断します

心拡大の原因として考えられる疾患

心不全

心不全では、心臓に圧力や容量の負担がかかり、心腔が広がったり、心陰影が大きく見えたりすることがあります。次のような症状を伴うことがあります。

  • 階段や平地での息切れ
  • 横になると苦しい(起座呼吸)
  • 足のむくみ・体重の急増
  • 夜中に息苦しくて目が覚める

早めに原因を確認し、必要に応じて薬物治療や生活管理を行うことで、症状の安定や入院予防を目指せる場合があります。

心臓弁膜症

弁の不具合で逆流や狭窄が続くと、心臓が代償的に拡大します。

  • 大動脈弁閉鎖不全症 → 左室拡大
  • 僧帽弁閉鎖不全症 → 左房・左室拡大
  • 三尖弁逆流 → 右房拡大

弁膜症の詳細は健診で心雑音を指摘された方へをご覧ください。

心筋症

心臓の筋肉そのものに異常がある病気です。

  • 拡張型心筋症 — 主に左心室が拡大し、収縮力が低下
  • 肥大型心筋症 — 心臓の壁が分厚くなる(心拡大よりも心肥大として表れる)

家族歴・遺伝の関与もあるため、専門的な精査が必要なことがあります。

高血圧性心疾患

長年の高血圧で心臓に負担がかかり、心肥大や心拡大、心不全につながることがあります。

血圧管理の評価は健診で高血圧・脂質異常症を指摘された方へをご覧ください。

放置した場合のリスクと、放置した場合のリスクと、放置した場合のリスクと、早めの評価が大切な理由

心拡大と指摘されても、必ず心臓の病気があるとは限らず、撮影条件によって大きく見えることもあります。ただし、背景に高血圧や弁膜症、心筋症などがある場合、症状がないまま進行することがあります。必要な検査や治療を受けずにいると、心臓の働きが低下し、息切れ・むくみを伴う心不全や不整脈につながり、入院が必要になる場合もあります。弁膜症の種類や重症度によっては、症状が出る前から治療を検討することもあります。「症状がないから大丈夫」と自己判断せず、まずは原因を確認し、経過観察でよいのか、治療が必要なのかを判断することが大切です。

健診で「要再検査」「要精密検査」と判定された方は、結果票をお持ちのうえ、循環器内科へご相談ください。検査結果に応じて、経過観察の時期や治療の必要性をご説明し、その後のフォローにつなげます。
心拡大以外にも気になる項目がある方は、あわせてご相談いただけます。

福岡市南区で要再検査・要精密検査と言われた方へ

当院で行う精密検査

実際の心腔拡大の有無と原因を確認するため、複数の検査を組み合わせて評価します。

心エコー

超音波で心臓の腔のサイズ・壁の厚さ・収縮能(駆出率EF)・弁の状態を直接観察します。

  • 痛みなし、放射線被ばくなし
  • 実際の心腔拡大があるか、撮影条件による見かけ上の変化かを評価する中心的な検査
  • 拡張型心筋症・弁膜症・先天性心疾患の所見もここで分かる

心電図

不整脈・心肥大・心筋虚血の有無を確認します。心房拡大の所見が出ることもあります。

胸部レントゲン

当院でCTRを再評価します。立位正面像など適切な撮影条件で、心拡大が続いているのかを確認します。

血液検査(NT-proBNP等)

  • NT-proNT-proBNP(心不全関連マーカー): 心臓への負担を反映する血液検査の一つです。年齢・腎機能・体格・不整脈などの影響も受けるため、症状や他の検査と合わせて総合的に判断します
  • 腎機能・電解質 — 心不全治療の安全性確認
  • 甲状腺機能 — 症状や診察所見に応じて必要な場合に確認

必要に応じて 長時間心電図(パッチ式を含む。記録期間は症状と使用する機器に応じてご案内します) で不整脈の合併を確認します。心臓MRI・冠動脈CTなどより詳しい画像検査が必要な場合は連携医療機関へご紹介します。

治療について

原因疾患に応じた治療

心拡大は「結果」であり、何が原因で心臓が大きくなっているかで治療がまったく異なります。

原因主な治療
心不全症状や心機能、腎機能などを確認しながら、利尿薬・β遮断薬・RAS系阻害薬/ARNI・MRA・SGLT2阻害薬などを病状に応じて検討します。治療により症状の安定や再入院予防を目指します
弁膜症重症度に応じて経過観察、薬物治療、専門施設での外科手術やカテーテル治療の検討を行います
拡張型心筋症心不全に準じた薬物治療+専門病院との連携
高血圧性心疾患降圧管理

生活習慣の改善指導

  • 原因疾患や病状に応じた減塩
  • 体重・水分の自己管理(心不全の方には体重日記をおすすめ)
  • 禁煙・節酒
  • 適度な運動(症状に応じて強度を調整)

専門病院への紹介

心筋症や虚血性心疾患などが疑われる場合は、心臓MRI、冠動脈CT、専門的な血液検査など、より詳しい検査が必要になることがあります。その場合は連携の画像診断センター・総合病院へご紹介します。

重症心不全や弁膜症の手術が必要な場合は連携施設へ紹介し、退院後は紹介先と連携しながら、当院で対応可能な範囲の長期フォローを行います。

当院の診療の流れ

  1. 健診結果(レントゲン)の確認
  2. 当院で胸部X線・心電図・血液検査
  3. 心エコー(心腔・壁厚・収縮能・弁の評価)
  4. 結果説明(撮影条件による見かけの変化か/原因疾患は何か)
  5. 必要時は連携施設で精査・治療
  6. 当院で対応可能な範囲のフォロー
  • 心電図・胸部X線は当日結果が出ます
  • 心エコーは診療状況により当日または後日の予約枠で実施します
  • 健診結果票・お薬手帳・過去のレントゲン画像(あれば)をお持ちください

Web予約、LINE予約に対応しています。月・木は19時まで診療しています。
検査は、症状や診察所見に応じて医師が必要性を判断し、保険診療の範囲で行います。健診で異常を指摘された場合や症状がある場合の診察・検査は、医師が必要と判断した範囲で保険診療として行います。
異常所見や症状がなく、ご希望のみで検査を行う場合は、内容によって自費となることがあります。

院長 田代 紘朗

院長 田代 紘朗

健診結果を持ってご来院いただければ、必要に応じて心エコーを含む評価を計画します。「心臓の影が大きく見える原因は何か」を、できるだけ整理して説明します。

当院では、日本専門医機構認定 循環器内科専門医が心拡大を以下の流れで評価します。

よくあるご質問

健診で心拡大と書かれていましたが、毎年同じことを言われています。問題ないということですか?

必ずしもそうとは言えません。「毎年同じ」場合でも、心臓の状態が続いている可能性と、撮影条件の影響で毎年見かけ上の心拡大として記載される可能性があります。
心エコーで一度評価しておくと、経過観察でよいのか、年1回フォローが必要なのかを判断しやすくなります。

心拡大と心肥大は同じですか?

違います。心拡大は心臓の影が大きく見える状態(実際に心腔が広がっている場合と、撮影条件などで大きく見える場合があります)、心肥大は筋肉(壁)が厚くなっている状態です。
原因も対応も異なるため、心エコーで両者を区別して評価することが大切です。

NT-proBNPはどんな値ならいいのですか?

NT-proNT-proBNPは心臓への負担をみる血液検査の一つです。値は年齢・腎機能・体格・不整脈などでも変動するため、数値だけで診断せず、症状や心電図、心エコーなどの結果を合わせて判断します。

心拡大の相談は保険診療で受けられますか?

健診で異常を指摘された場合や症状がある場合の診察・検査は、医師が必要と判断した範囲で保険診療として行います。異常所見や症状がなく、ご希望のみで検査を行う場合は、内容によって自費診療となることがあります。

紹介状は必要ですか?

紹介状は不要です。健診結果票をお持ちいただき、診察所見に応じて必要な検査を計画します。

心拡大は「結果」であって「病名」ではありません。胸部レントゲンで心臓が大きく見える背景に何があるかを確認することが、その後の判断の出発点になります。

花水木クリニックの循環器内科では、日本専門医機構認定 循環器内科専門医が心エコー・胸部X線・心電図・血液検査を組み合わせ、撮影条件による見かけ上の変化か、心臓の病気が関係する所見かを評価します。心不全・弁膜症・高血圧による心臓への負担などが見つかった場合は、当院で対応可能な範囲のフォローを行い、必要に応じて連携医療機関へご紹介します。

健診で心拡大を指摘された方は、まずはご相談ください。ただし、突然の強い胸痛、冷汗を伴う息苦しさ、失神・意識障害、急な強い呼吸困難などがある場合は、予約を待たず119番へ連絡してください。

循環器内科・内科
診療時間 月 火 水 木 金 土 日祝
9:00〜13:00 月曜 診療あり 火曜 診療あり 水曜 診療なし 木曜 診療あり 金曜 診療あり 土曜 診療あり 日祝 診療なし
14:30〜18:00 月曜 診療あり 火曜 診療あり 水曜 診療なし 木曜 診療あり 金曜 診療あり 土曜 診療なし 日祝 診療なし
18:00〜19:00 月曜 診療あり 火曜 診療なし 水曜 診療なし 木曜 診療あり 金曜 診療なし 土曜 診療なし 日祝 診療なし

※ 最終受付は診療時間の30分前までとなります。

休診日
水・日曜日・祝日
住所
〒815-0033
福岡県福岡市南区大橋1丁目3番3号 OHASHI HILL 3F
アクセス
西鉄天神大牟田線「大橋」駅 徒歩1分
駐車場
OHASHI HILL駐車場(87台)

※ 受診科目や院内での滞在時間にかかわらず同じ無料時間の駐車サービス券をご用意しています。駐車時間によっては、別途ご負担が生じる場合があります。

花水木クリニック周辺の地図。大橋駅東口から徒歩1分、OHASHI HILL 3F。

お急ぎの方は、お電話(092-403-3312)でもご予約・ご相談を承ります。 [休診日]水・日曜日・祝日

循環器内科・内科 院長 田代 紘朗

循環器内科・内科 院長 田代 紘朗

経歴

  • 山口大学医学部医学科 卒業
  • 小倉記念病院 初期臨床研修
  • 小倉記念病院 循環器内科
  • わかばハートクリニック 循環器内科
  • 花水木クリニック 院長

資格・所属学会

  • 日本専門医機構認定 内科専門医
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  • 日本循環器学会
  • 日本心不全学会
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